川上建次

Kawakami Kenji　

川上の画面には原始的で力強い生命力がみなぎっている。身体の障害に抗うように塗り重ねられたストロークは力強く、何度も塗り重ねられたブラッシュワークは情感をみなぎらせている。描かれるテーマは、捨てられた猫の逆襲やプロレスラーの流血シーンから、子供の頃に憧れた戦隊ヒーローや身近な存在である友だち、希望の園の職員等。化け物や怪物、幽霊が出てくる場面等、現実の出来事と過去の思い出が入り混じっている。シーンは、どこか緊急を要する様子で、恐ろしげなものだが、川上の人柄を反映して、どこかユーモラスな印象も併せ持つ。ブラッシュワークと同様に色彩も鮮烈で、赤と青、黄色等が対比する。絵を描く姿が印象的だった川上は、希望の園では尊敬と憧れを持たれ「川上画伯」と呼ばれていた。

プロフィール

1953年三重県生まれ。小学校高学年より自宅で絵を描く。1997年、43歳から「希望の園」に通いはじめ、2000年より油絵を描き始める。主な個展に「川上建次展」（2004年 松阪市文化財センター、三重県）。主なグループ展に「あるがままのアート ー人知れず表現し続ける者たちー」（2020年 東京藝術大学大学美術館、東京都）、「この素晴らしき世界 希望の園作品展」（2023年 徳島県立近代美術館、徳島県）等がある。受賞歴に第63回みえ県展優秀賞（2012年）等がある。2022年逝去。

（出品作品）
《キカイダー01》 未完
油彩、キャンバス

（参考作品）
《誰がシマウマを喰うのか》 2012年
油彩、キャンバス

（参考作品）
《ジョンソンが嫁もろた》 2004年
油彩、キャンバス

（参考作品）
《誰がシマウマを喰うのか》 2012年
油彩、キャンバス

（参考作品）
《ジョンソンが嫁もろた》 2004年
油彩、キャンバス