板垣豊山

Itagaki Hohzan　

一人の女性を題材にして、2000年以降その女性の肖像画のみを描き続けてきた。その女性は1990年代に20代後半で亡くなっているが、板垣は2000年に起きたある出来事をきっかけに、自らの心に深く沈んでいた女性像を手繰り寄せ、描き始めた。それは自らの救済であり、啓示のようでもある。女性像は、生前の20代だけでなく、作者が知ることのない子供時代や中年の姿までを描く。制作のきっかけとなった女性の幻視では、霊と対峙する本人の姿を含めて両者の対話の姿が描かれる。このような制作の舞台裏を示すような作品だけでなく、制作の中心となる女性の連作や、遺作準備のための作品群等も展示される。中心をなす女性像では、眠る少女や森に囚われた女性像等、代表的な作品が展示される。これらの作品を、板垣は｢愛を語る行為｣といい、｢赦しを乞う行為だ｣と述べる。

プロフィール

1953年山形県生まれ。1973年山形東高校卒業。1973年から3年間、美術予備校にて油絵を学ぶ。1980年代に複数の展覧会を開催。2000年代からキャンバスに油彩の人物画を描き、現在に至る。

（出品作品）
《Sleeping beauty》 2018年
oil painting

（出品作品）
《She is here》 2014年
oil painting

（参考作品）
《I've been wanted to see you again》 2016年
oil painting

（出品作品）
《She is here》 2014年
oil painting

（参考作品）
《I've been wanted to see you again》 2016年
oil painting