桑田卓郎

Kuwata Takuro

Photo: Kotake Koho

桑田は陶芸家であると同時に、現代アーティストとしても活動する。2010年代から本格的な活動を始めた桑田は、当時、現代アートや漫画、サブカルに触発された若手の陶芸家の一人として新しいイメージを陶芸界に持ち込み、新世代の陶芸家として頭角を現していく。カラフルでポップな色彩で、独特の歪みをもつ形態は、ユーモラスで明るく、ユニークなイメージを放つ。国内だけでなく、世界でも人気が高い。一見、ナイーブな技術力によって制作されているように見えるが、桑田独特の計算された視点によって造形がなされている。今回は、制作途中で誕生する未完成品を大量に持ち込み、不完全なものがもつ歪みやいびつさといった造形上のマイナス要素を逆転させて、美を問い、その概念を変えていく。

プロフィール

1981年広島県生まれ。2001年に嵯峨美術大学短期大学部を卒業。2002年に陶芸家・財満進に師事。2007年に多治見市陶磁器意匠研究所を修了。近年の主な展覧会に、個展「ZUNGURIMUKKURI」（2021年 Salon 94、アメリカ）、「Strange Clay: Ceramics in Contemporary Art」（2022年 Hayward Gallery、イギリス）等がある。主な受賞歴に、ロエベ ファンデーション クラフト プライズ特別賞（2018年）、2021年度日本陶磁協会賞（2022年）等がある。

（参考作品）
《美濃焼》 2023年
Photo: Sudo Kazuya